高江~森が泣いている

いまだ終わらぬ戦後、沖縄の差別の歴史を胸に

 12月16日(金)、東京清掃本部SKホールで、沖縄の現状を学ぶ学習会を開催しました。学習会は、最初にDVD 『高江-森が泣いている』を鑑賞し、その後、東京平和運動センター副議長の関久さんを講師に招き、「なぜ沖縄に米軍基地が集中しているのか」をテーマに講演をいただきました。
 沖縄戦の悲劇は、本土決戦に備えるための引き延ばし戦として、「捨て石」にされたことにあります。本土防衛や「国体護持」の道具とみなされ、戦後も長期にわたって米国統治下に置かれ、「反共防衛」の要とされてきたのです。日本復帰後も広大な米軍基地が残り、沖縄の民意に反して新基地建設が強行されるなど、差別された状況が続いています。
 関さんは、「沖縄の自己決定権」の視点を基に状況を打開する必要があり、沖縄で何が起きているのか、しっかりと把握する必要があると訴えられました。

「触るな、くそ。どこつかんどんじゃボケ。土人が」、「黙れ。こら、シナ人」、10月18日、高江のヘリパッド建設阻止行動の参加者に浴びせられた怒声で、暴言を発したのは機動隊員2人です。権力の側にいる者がこういう発言をすること自体に沖縄差別の根の深さがあります。
 辺野古新基地は、普天間基地を返還する負担軽減と言われていますが、辺野古新基地は、109mの燃料桟橋、1,800mV字型滑走路、ヘリを運搬する強襲揚陸艦が対岸可能な272mの護岸を擁するなど、負担軽減どころか新たな負担を沖縄に強いるものです。また、北部訓練場の一部返還の代わりに、東村高江のヘリパッド設置工事が強行されています。返還されない地域に15基の着陸帯があるのに、なぜ新たな建設が必要なのでしょうか。「沖縄の負担軽減」という甘言で、米軍は日本政府の予算で、時代に合った新施設を手に入れようとしているのです。
 北部訓練場の周辺「やんばるの森」は、「東洋のガラパゴス」とも言われ、4千種を超える多様な生物が生息し、固有種や絶滅危惧種などが含まれています。豊かな自然を犠牲にした戦争のための基地は必要ありません。

 戦後71年目の沖縄で、今何が起きているのか。東京清掃は、今後もあらゆる機会を通じて戦争の悲惨さを胸に刻み、反戦・平和の取組みを強化します。それが今を生きる者としての責任であり、義務と言えるでしょう。