7.20 中央執行委員学習会

「人間を取り戻せ!大久保製壜闘争の記録」上映&講演会

東京清掃労組は、月に一回、一日職免を取得して中央執行委員会を開催しています。勤務時間外の執行委員会だけでは、なかなか議論が深まらないことから、こうした機関会議の方法を取っています。一日職免を取得した中央執行委員会では、午前中に学習会等を実施し、時勢に見合った課題について理解を深めることにしています。

 7月20日の中央執行委員学習会では、最初に東部労組の闘いの記録DVD『人間を取り戻せ!大久保製壜闘争の記録(40分)』を上映し、闘いの当事者であった長崎副委員長から、当時のことを振り返り労働者が自らの尊厳を懸けて闘うことの意味、働く者が団結して声をあげることの意義について講演をいただきました。
 当時の大久保製壜所では、障害を持って働いている人への暴力や人権蹂躙、賃金差別が日常的に行われていました。長崎さんら健常者3人を含めた36人が労働組合を結成して、人間の尊厳を取り戻すために立ち上がった21年9ヶ月に亘る闘いの歴史です。全面勝利解決を勝ち取った1997年から今年が20周年になります。人権侵害や格差、貧困がはびこる今、もう一度大久保製壜闘争を振り返る目的で開催しました。
 「奴隷から人間になるために、労働組合を組織して立ち上がる瞬間を目の当たりにした。何度もやめたいと思ったが、仲間達と互いに支え合いながら踏ん張った。壮絶な闘いだったが、仲間達との連帯で大きな感動を受けた。労働者は素晴らしい!」といった当事者だからこその報告と、胸に迫る訴えに大きな感銘を受けました。

 須田書記長からは、3月にメトロコマース支部に対して出された労働契約法20条裁判の不当判決を中心に報告を受けました。労働契約法20条とは、「期間の定めがあるという理由により、無期労働契約者の労働条件と相違する場合に、業務内容や当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない」とする規定です。前述の裁判とは、東京メトロ駅売店の非正規労働者でつくる東京東部労組メトロコマース支部が、正社員との賃金差別をなくすためにおこした裁判です。3月に出された東京地裁の判決は、原告らの訴えを一切認めず、正規労働者と非正規労働者の処遇の格差を容認する内容でした。東部労組メトロコマース支部は、何ひとつ納得できる判決ではないとして、控訴審を闘っています。
 須田書記長からは、7月10日に控訴審の第1回口頭弁論が東京高裁で開かれ、原告組合員を代表して後呂委員長が意見陳述で、非正規労働者の差別をなくす正義の判決を出すよう法廷で訴えたことが報告されました。東京清掃の支援に対する感謝の言葉と引き続きの支援要請を受けました。東京清掃としてもこれまでの支援の不十分さを反省しつつ、全力でこれからの闘いを支援をしていきます。

 障害のある人もない人も、正規労働者も非正規労働者も、分け隔てなく人間らしく共に生きる共生社会の実現に向けて、すべての労働者が連帯していくことの大切さを確認することができました。
 労働組合運動は、3K“暗い”、“怖い”、“係りたくない”といったイメージがあります。厳しい闘いを余儀なくされているのは事実ですが、決して深刻になって下を向いているわけではありません。しっかりと前を向き、明るく活き活きと闘っていることをSNSなどのメディアを使って内外に発信していこうと意見一致しました。東部労組の闘いに学びながら、有意義な実りある交流となりました。