大小の路地に出ているごみを収集するために、一区平均1万3000ヶ所の集積所を回ります。23区全体では30万ヶ所以上です。各戸収集は拡大しつつあり、集積所は増える傾向にあります。たとえば品川区の場合は、1万ヶ所の集積所が16年度には約12万戸の各戸収集になります。ごみの分別状況などを確認しながら収集します。人手を使って集めることでしか進まない作業です。
ごみの出し方などは区民の皆さんと相談しながら進めます。ごみの出し方を現場で見てもらいながら、どうすると集積所やまちがきれいになるのか、直接その地域の方と話し合います。人と人のコミュニケーションが欠かせない作業です。
高齢者や障がい者などの区民のところへは直接玄関までうかがいます。ごみを集めるだけでなく安否確認をするには、長い間の人と人とのふれあいが欠かせません。
23区には細い路地が多いために、小型車や軽小型車が投入されています。大型団地には大型特殊車両で収集も行われています。
ですから、私たちの事業は、ごみを前にして区民の皆さんと関わるために、人が仕事を担うしかない労働集約型の事業だと言えます。
安全で、公害を出さない、安定的な工場の運営を確保するのが私たちの仕事です。
工場を見学するとわかりますが、工場のプラント設備はごみを投入するクレーン、ごみを燃やす焼却炉、排ガス中の粉じんを取り除くバグフィルター、排気ガスを洗浄・中和する洗煙装置、汚水から有害物質を取り除く汚水処理設備など様々な機器があります。これらの設備が一ヶ所でも止まれば正常な清掃工場の運営はできなくなります。
住民の皆さんにとって清掃工場が安全で安定的に運営されるためには、365日昼夜を問わず複雑な機械の制御を行わなければなりません。それには高度な専門知識を必要とするばかりか、プラントの流れを正確に判断し、トラブル時には即座に対応できる職場の体制が必要です。
公害を出さない運営を前提にして、区民の環境を守ること、さらに限りあるエネルギーを有効に取り出すことがますます重要な課題となってきています。
1995年阪神淡路大震災では、東京都も「廃棄物処理緊急応援隊」として、1月30日から3月3日まで、実働25日の期間中、1日最大130人、清掃車46台、延べ2,465人の清掃職員を送った。
「みんなに生かされてるんよ」「東京から来てくれたんよ」と感謝されたことを私たちは忘れない。
2004年には、新潟県三条市での水害復興支援に多くの清掃職員が参加しました。
7月28日から31日までと、7月31日から8月3日までの二次にわたって、延べにして職員686人、清掃車229台が復興活動に汗を流しました。
阪神淡路大震災での教訓を活かし、組合から各区に申し入れをすることで実現したものです。
阪神淡路の時と同様に多くの市民から「遠いところを、本当にありがとうございます」と感謝されました。こういった復興支援活動で得た「達成感」や「充実感」がこれからの東京23区の清掃事業にも活かされていくことでしょう。